新静岡駅前法律事務所

離婚調停の呼出状が届いたら?離婚調停を申し立てられた時の対処法

2024-05-30
離婚

突然、自宅に裁判所から離婚調停の呼出状が届いて不安を感じている方もいらっしゃると思います。

「呼出状の他にも見慣れない書類が入っていてどう対応したら良いか分からない」、「調停期日が指定されているが、仕事で出席できない。どうしたら良いか」というご相談を受けることは多いです。

そこで、本稿では離婚調停の呼出状が届いた時の対処法を解説したいと思います。

目次

1. 書類の確認

まずは、裁判所から届いた書類を確認しましょう。

調停を申し立てられた場合、以下の書類が送られてきます。

  • 調停期日通知書(呼出状)
  • 夫婦関係調整(離婚)調停申立書の副本(写し)
  • 答弁書
  • 事情説明書
  • 進行に関する照会回答書
  • 送達場所の届出書
  • 裁判所からのご案内(裁判所までの地図や調停の説明書等)
  • その他、調停の申立人が申立書に書面や資料を添付している場合には、併せて送られてくることがあります

2. 期日の確認

呼出状には、第1回調停期日が開かれる日時が記載されています。

その日時に裁判所に出頭できるかを確認しましょう。

第1回の調停期日は、裁判所と申立人の都合で決められているため、出頭ができないという方もいらっしゃると思います。

第1回調停期日に出頭できないからといって不利になることはありませんので、都合がつかない方は無理をして出頭する必要はなく、裁判所に出頭できない旨の連絡をしましょう。

裁判所に連絡をすると、書記官が調停期日の日程を調整してくれます。

また、調停期日は平日の午前10時から午後5時までの間に開かれるので、仕事等で出頭すること自体が難しいという方もいらっしゃると思います。

その場合は、弁護士に依頼することで代わりに調停期日に出頭してもらうことができるため、弁護士への依頼を検討されると良いでしょう。

3. 書類の提出

呼出状と共に送られてきた答弁書、事情説明書、進行に関する照会回答書、送達場所の届出書に必要事項を記載して裁判所に提出しましょう。

上記書類は1通ずつ裁判所に提出すれば足りますが、申立人に答弁書を読んでもらいたいという場合には、申立人に答弁書の写しを直接送付するか、裁判所に2通提出することで裁判所から申立人に送ってもらうことができます。

この場合、裁判所が申立人に書類を郵送するための郵券(切手)を事前に納付する必要があります。

必要な郵券の内訳は裁判所に確認すると教えてもらえます。

また、答弁書のひな形では主張や反論が書ききれないという方は、別途書面を作成して答弁書の別紙として添付するのが良いでしょう。

4. 呼出状を無視した場合

調停が不成立になり離婚訴訟に移行する可能性

裁判所に連絡をすることもなく、第1回調停期日に出頭しない場合、調停は不成立(話合いがまとまる見込みがないので調停を終了させる手続)となる可能性があります。

私の経験上、第1回目の調停期日に無断で欠席した場合に即日調停が不成立となることは少なく、第2回調停期日までに裁判所の調査官(家事事件等の調査を行う役職)が電話連絡をしたり、出頭勧告という調停期日への出頭を命じる書面を送付することが多いです。

調査官による連絡や出頭勧告にもかかわらず、第2回調停期日にも出頭しなかった場合には、ほとんどのケースで調停が不成立となっています。

離婚調停が不成立となった場合、自動的に離婚訴訟(裁判)に移行することはありませんが、申立人が別途離婚訴訟を提起する可能性があります。

離婚訴訟の呼出状も無視してしまうと、調停とは異なり、申立人(原告)の請求どおり又はそれに近い判決がなされることになるため、非常に危険です。

訴訟対応を余儀なくされるリスクや申立人の請求どおりの判決がなされるリスクを回避するために、調停の呼出状が届いた場合には、無視せずに対応するようにしましょう。

なお、離婚調停と共に婚姻費用分担請求調停が申し立てられることがあります。

婚姻費用とは、離婚が成立するまでの間の生活費のことで、婚姻費用の支払を求める手続が婚姻費用分担調停になります。

婚姻費用分担調停は、離婚調停と異なり、調停が不成立になると「審判」という手続に移行します。

審判手続は、裁判官が当事者双方の主張と資料を踏まえて決定を下す手続ですので、婚姻費用分担調停の呼出状を無視した場合、調停が不成立となり審判手続に移行した上で、裁判所が申立人の主張と資料のみで決定を下してしまう、すなわち、こちらの反論の機会がないまま判断がなされてしまうおそれがあります。

したがって、婚姻費用分担調停が併せて申し立てられている場合には、呼出状を無視することはリスクが大きいので、必ず対応するようにしましょう。

過料の制裁

法律上、調停の呼出しを受けた事件の関係人は期日に出頭しなければならないと定められています(家事事件手続法第258条1項、同法第51条2項)。

そして、正当な理由なく、調停期日に出頭しなかった場合には、5万円以下の過料に処すると定められています(家事事件手続法第258条1項、同法51条3項)。

実務上、過料の制裁が課されているケースは稀ですが、法律に制裁の規定がある以上、やはり呼出状は無視せずに調停に出頭した方が良いでしょう。

5. 条件の検討

調停は、訴訟と異なり裁判所が何らかの決定を下す手続ではなく、裁判所の仲介のもと話合いを行う場です。

離婚調停の申立書に記載されている申立人の希望する条件に対し納得できない部分があったり、こちらが希望する条件があると思います。

第1回調停期日に向けて、希望の条件をまとめると共に、条件の内容によっては証拠となる資料を揃えるなどすると良いでしょう。

検討すべき条件の具体例は以下のとおりです。

離婚

そもそも離婚に応じるか否かを検討する必要があります。

離婚に応じられないのであれば、離婚を前提とした他の条件を検討するまでもなく、調停期日では復縁の方向で話を進めることになります。

もっとも、離婚調停を申し立てているということは、配偶者の離婚意思が固い可能性は高いので、復縁の方向に進めることは難しい場合が多いです。

実際に私が代理人として担当した案件の中で復縁する方向で解決した例はほとんどありません。

離婚に応じるか否かを検討するに当たっては、配偶者の離婚の意思が強固である可能性が高く復縁の可能性は低いことを前提に考えていただいた方が良いです。

また、復縁を目指すために謝罪文や反省文を作成する方がいらっしゃいますが、内容には細心の注意を払うべきです。

謝罪文や反省文は、自らの非を認める内容になりますので、具体的に書き過ぎてしまうと、離婚原因や慰謝料請求の証拠として使われてしまう場合があります。

親権

配偶者との間に子がいる場合には、離婚に際し親権者を決める必要があります。

親権を希望する場合には、監護実績があること、監護能力が高いこと、養育環境が整っていること等、親権者を決定する上で有利な事情を客観的資料に基づいて積極的に主張すると良いでしょう。

親権者を決定する際の判断要素はこちらのコラムをご参照ください。

養育費

配偶者との間に子がいる場合、子の親権者に対して養育費を支払う必要があります。

養育費の金額は、お互いの収入を算定表に当てはめて決定するのが裁判実務です。

自身の収入を証明する資料として、源泉徴収票や確定申告書、課税(非課税)証明書を提出するようにしましょう。

面会交流

配偶者との間に子がいる場合で、自らが子の親権者とならない場合に、子と交流する機会を設けることを「面会交流」と言います。

面会交流を求める場合は、面会交流の頻度(月○回)、時間(◯時〜◯時)、場所(◯◯公園の入口で引渡し)など、面会交流の条件について話し合う必要があるので、希望する条件をまとめておきましょう。

なお、調停において、面会交流の話合いが進まない場合には、面会交流に関する話合いを集中的に行うために、面会交流の調停を申し立てる方法もあります。

面会交流調停の詳細はこちらのコラムをご参照ください。

財産分与

婚姻期間中に形成した財産がある場合には、財産分与を請求することができます。

財産分与は、原則として、基準時を定めて基準時の日付の財産を2分の1ずつになるように分けることになります。

財産分与を請求する場合には、基準時の財産が分かる資料を提出するようにしましょう。

財産分与の詳細はこちらのコラムをご参照ください。

慰謝料

婚姻関係破綻の原因が一方の配偶者にある場合には、慰謝料を請求できる可能性があります。

裁判で慰謝料請求を認めてもらうためには証拠が必要になるので、調停の段階でも証拠がある場合には、提出するようにしましょう。

離婚に伴う慰謝料の相場は50万円〜300万円と言われています。

慰謝料の金額は、婚姻関係破綻の原因、婚姻期間、子の有無、収入等が考慮され決定します。

婚姻関係破綻の原因によっては、慰謝料が認められないこともあるので、離婚に際し必ずしも慰謝料が請求できるわけではないことには注意が必要です。

年金分割

婚姻期間中に納付した保険料の金額に応じて厚生年金を分割する制度を「年金分割」と言います。

年金分割を求める場合、年金分割の割合を決める必要がありますが、裁判実務上、0.5の割合となることがほとんどですので、特別な事情がなければ、年金分割の割合は0.5で合意しましょう。

6. まとめ

調停の呼出状が届いて不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、これまで述べてきたとおり、きちんと対応すれば問題が生じることはありません。

もっとも、「仕事が忙しくて調停に対応する時間が取れない」、「答弁書の内容をうまくまとめることができない」、「どのような条件を提示すれば良いのか分からない」、「1人で調停期日に出席するのが不安」と、調停に関するお悩みを抱えている方は少なくないと思います。

弁護士に依頼すれば、調停期日に代わりに出頭してもらえる又は同席してもらえる、書面を作成してくれる、裁判所とのやりとりを一任してくれる、証拠の精査と提出を行ってもらえるなど、お悩みを解決できる可能性があります。

上記のようなお悩みを抱えている方は、まずは弁護士に相談してみてください

著者

弁護士 長谷川達紀

弁護士
長谷川達紀

静岡県弁護士会所属

家事事件と男女トラブルを中心に月100件を超える相談に対応。

趣味はグルメ巡りとテニス。

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