配偶者が風俗に通っていた場合、行為の内容によっては慰謝料や離婚の請求ができることがあります。
そこで本記事では、配偶者の風俗通いを理由とした慰謝料や離婚の請求について解説します。
目次
1 配偶者の風俗通いは不倫になる?
不倫とは、法的には不貞行為(配偶者以外の人と性的関係を持つこと)のことをいいます。
風俗店については、お店によってどのような性的サービスを行うか異なっていますが、性交渉(又は性交類似行為)があれば、不貞行為に該当することになります。
例えば、ソープランドやデリバリーヘルスは、性的サービスを行うことが多いでしょうから、不貞行為に該当する可能性があるでしょう。他方で、メンズエステ等で性的サービスが一切ない場合には、不貞行為とは認められません。同様に、キャバクラやホストクラブ、ガールズバーに行っているだけでは、不貞行為とは認められません。
2 配偶者が風俗で不倫していた場合に慰謝料請求できる?
①配偶者への慰謝料請求
不貞行為は、民法上の不法行為に該当するため(民法第709条、同710条)、風俗で不倫をしていた配偶者に対しては、慰謝料請求をすることができます。
ただし、1回風俗に行ったのみ、という場合には、慰謝料請求が認められないことがあるので注意が必要です。
また、風俗店に通っていたという行為の性質からして、通常の不倫と比べて、慰謝料が減額される可能性もあります。
不倫の慰謝料請求については、以下のコラムで解説しています。
②不倫相手への慰謝料請求
不貞行為は、配偶者と不倫相手が2人で行う不法行為であることから、慰謝料の支払義務も、双方に生じるのが原則です。
しかしながら、風俗嬢については、仕事として性的サービスを提供しているのであって、その自由意思に基づいて性交渉(不貞行為)を行っているとは言いづらいことから、風俗嬢への慰謝料請求は、認められない可能性が高いです。
また、そもそも不法行為による慰謝料請求を行う場合には、相手に故意又は過失があること、つまり、配偶者が既婚者であると知っていたか、知ることができたといえることが必要です。風俗店で勤務していて、仕事で性的サービスを行っただけという場合、既婚者の認識をこちらが立証するのが難しいという問題もあります。
ただし、例外的に、風俗店の外でも、仕事とは関係なく、私的に肉体関係を持っていたといった場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。
3 風俗通いを理由に離婚請求はできる?
配偶者の風俗通いを知った方の中には、離婚をしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
離婚は、両者の合意によればできるので、風俗通いを理由に離婚したいと告げて、相手が離婚に応じてくれる場合には、離婚ができます。
ただし、相手が合意してくれず、離婚調停を行っても離婚が成立しない場合には、裁判で離婚を認めてもらう必要がります。
裁判で離婚が認められるためには、以下の法定離婚事由が必要です(民法第770条1項各号)。
| ①配偶者に不貞な行為があったとき ②配偶者から悪意で遺棄されたとき ③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき ④その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき |
配偶者が風俗で不貞行為をしている場合、「①配偶者に不貞な行為があったとき」に該当し得るものの、例えば、1度限りの風俗通いであれば、「不貞な行為」に該当しない可能性があります。
また、④「その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある」に該当し得ると主張することも考えられます。
風俗通いが頻繁で、全く家庭も顧みないといった場合には、婚姻関係が破綻しているとして④婚姻を継続しがたい重大な事由があると認められる可能性もあるでしょう。
4 風俗通いの証拠はどう集める?
配偶者の風俗通いを理由に慰謝料や離婚を請求する場合には、証拠が重要です。
風俗店の利用については、一般に、本名で予約をしなかったり、領収書がなかったりと、証拠が残りづらいといった特徴がありますので、しっかりと証拠を集めましょう。
例えば、風俗店での支払いにクレジットカードや電子マネーを利用している場合には、その明細や、予約を取る際のメッセージのやり取り、GPSの位置情報(風俗店にいることを示すものなど)などは客観的な証拠になるでしょう。
また、探偵の調査報告書も有用ですが、探偵に調査を依頼した場合には、一定程度の費用がかかる一方で、既に述べたとおり、慰謝料の額が低額にとどまる可能性もあるため、探偵に依頼をするかは、慎重にご検討いただくことをお勧めします。
5 配偶者の風俗通いに関してよくある質問
Q:慰謝料を請求できる場合の相場は?
A:一般に、不貞行為の慰謝料の相場は、50万円~300万円程度といわれています。
風俗通いが長期間かつ頻繁で、それを理由に離婚に至った場合には、300万円に近い額に、逆に、数回程度といった場合には50万円に近い額になる可能性が高いでしょう。
Q:証拠を集める際に注意すべきことは?
A:証拠を集める際には、違法な手段を用いないようにする必要があります。違法に証拠を収集してしまうと、刑事事件に発展したり、逆にこちらが損害賠償請求をされてしまう可能性があります。
例えば、尾行の際に第三者の自宅に立ち入ったり(住居侵入)、「不貞を認めなければ職場にばらす」等と告げる(脅迫)等の行為は絶対に行わないようにしましょう。
不貞の証拠の収集方法は、以下のコラムで解説しています。
6 まとめ
配偶者の風俗通いを理由に慰謝料や離婚を請求する際には、通常の不貞行為とは異なる点が多く、見通しを慎重に確認する必要があることから、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
当事務所では、不貞行為や離婚案件に注力しており、その解決実績も豊富です。 配偶者の風俗通いでお悩みの方は、お気軽に問い合わせフォームよりご連絡ください。
