トレントシステムを利用してAVなどをダウンロードした結果、プロバイダから発信者情報開示請求の意見照会書が届いた場合、これを無視するのは非常に危険で、何らかの対応が必要です。
ご自身での対応が難しい場合、弁護士への依頼することを検討することになりますが、弁護士費用がいくらくらいかかるのか不安という方もいらっしゃると思います。
そこで、本稿ではトレントの弁護士費用の相場を解説いたします。
目次
1 トレントシステムとは
トレント(torrent)システムとは、これを利用して動画等のデータをダウンロードすると、同時にそのデータがアップロードされ、他者に送信されるというシステムのことをいいます。
著作物をアップロード(公衆送信)する場合、著作権者の許可を得る必要があるため(著作権法第23条)、トレントシステムを利用し著作物をダウンロードした場合は、著作権法違反に該当することになります。
著作権法違反は、民法上の不法行為に該当しますので(民法第709条)、著作権者から損害賠償請求をされるリスクがあります。
また、著作権法違反に対しては刑事罰が定められているので(著作権法第119条1項)、刑事事件化や刑事罰を課されるリスクもあります。
トレントシステム、発信者情報開示請求については、以下のコラムで解説しておりますので、ご参照ください。
2 意見照会書とは
意見照会書とは、発信者情報開示請求をされた際に、プロバイダが発信者の氏名や住所等の個人情報を請求者に開示することについて、プロバイダの契約者に意見を求める書面です(プロバイダ責任制限法第4条2項)。
基本的には、「同意する」又は「同意しない」と回答します。また、同意しない場合にはその理由を記載することになります。
実務上、回答期限は意見照会書の到達から2週間以内とされることが多いです。
意見照会書の詳細については、以下のコラムで解説しておりますので、ご参照ください。
3 弁護士費用の相場
法律相談料
弁護士に法律相談をお願いした場合の相談料は、30分当たり5000円〜1万円程度としている事務所が多いです。
近年では、初回の相談のみ無料としている事務所も増えてきています。
また、来所での相談だけではなく、電話やオンラインでの相談を受け付けている事務所もあります。
当事務所も、初回のご相談料は無料で、電話やオンラインでの相談を受け付けております。
回答書の作成代行
プロバイダから意見照会書が送られてきた場合、回答書を作成して返送する必要があります。
事務所によっては、回答書の作成代行に対応している所もあります。
回答書の作成代行の相場は、5万〜10万円程度です。
トレントシステムの利用に心当たりがなく開示に同意しないと回答する場合、トレントシステムの利用に心当たりがないこと及び同意しない理由を具体的かつ説得的に述べる必要があります。
このような場合には、弁護士に回答書の作成代行を依頼することを検討すると良いでしょう。
プロバイダや開示請求者との交渉
意見照会者が届いた場合、プロバイダや開示請求者と直接交渉する必要が生じます。
プロバイダや開示請求者との交渉を一任する場合の弁護士費用については、着手金・報酬型を採用している事務所が多いです。
着手金・報酬型とは、案件処理に着手する際に一定額の着手金を支払い、案件が終了した時点で一定の条件や成果に応じた報酬金を支払う費用体系のことをいいます。
トレントの場合、着手金のみで報酬はなしとしている事務所もあります。
着手金と報酬の相場は、それぞれ10万〜20万円程度ですので、弁護士費用の合計額としては20万〜40万円程度が相場となります。
ただし、裁判外での交渉を超えて、民事訴訟や刑事事件に発展した場合には、追加の弁護士費用が生じる費用体系となっている事務所が多いので、注意が必要です。
なお、当事務所にトレントの交渉をご依頼いただいた場合の弁護士費用は、着手金が16万5000円(消費税込)、開示請求者と合意が成立したときの報酬が16万5000円(消費税込)となります。
4 トレント問題を弁護士に依頼するメリット
①プロバイダと開示請求者との交渉を一任できる
前述のとおり、意見照会書が届いた場合、プロバイダ及び開示請求者と交渉を行う必要があります。
特に、トレントの場合、開示請求者は既に弁護士に依頼していることがほとんどですので、開示請求者との交渉においては、弁護士とやりとりを行うことになります。また、開示請求者との交渉では、示談金の金額の交渉や法的知識が必要となることがあります。
弁護士に依頼することで、プロバイダと開示請求者との交渉を一任できますので、ご自身でやりとりする必要がなくなり、交渉の手間や精神的な負担をなくすことができます。
②法的リスクを軽減することができる
弁護士は法律の専門家であり、示談交渉の経験や実績があることから、弁護士に依頼することで早期に示談が成立できる可能性が高まり、法的リスクを軽減することができます。
ただし、インターネットやIT問題に詳しくない弁護士に依頼すると、対応を誤って不足の損害を被る結果になりかねませんので、依頼する弁護士は慎重に検討すると良いでしょう。
特に、トレントの場合、意見照会書の回答に期限があったり、早期に解決する必要があることから、焦って弁護士を選定してしまう方が散見されます。
弁護士の選び方については、以下のコラムで解説しておりますので、弁護士選びでお悩みの方は参考にしてみてください。
③訴訟や刑事事件等の法的手続の対応も依頼できる
前述のとおり、トレントは民事上の損害賠償請求や刑事事件化のリスクがあります。
ケースによっては、開示請求者から民事訴訟や刑事告訴をされるおそれがあります。
前述のとおり、弁護士に依頼することで、損害賠償請求や刑事事件化のリスクを軽減することができますが、万が一、民事訴訟を提起されたり、刑事事件化した場合であっても、引き続き弁護士が対応してくれるメリットがあります。
5 まとめ
トレントは法的リスクの高い案件の1つです。
意見照会書を無視したり、ご自身で交渉を行って対応を誤ってしまうと、損害賠償請求や刑事事件化といった大きな法的リスクを負うことになりかねません。
トレントを利用して、プロバイダから意見照会書が届いた方は、弁護士に依頼することを視野に入れながら、弁護士に相談することをお勧めします。
当事務所は、インターネット・IT問題に注力しており、トレント問題の経験と実績は豊富です。
当事務所への相談をご希望の方は、問い合わせフォームよりご連絡ください。
