新静岡駅前法律事務所

交際相手と関係を解消したいが、別れてくれないー脅迫やストーカー被害を受けている場合の対処法を弁護士が解説

2024-06-05
刑事 男女トラブル

交際相手に別れを切り出したところ、なかなか別れてくれずに、しつこく連絡を受けている場合、元々お付き合いをしていた相手であることを理由に、あまり明確に拒否ができなかったり、いずれ落ち着くであろうと考えて何も対処しない、という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、元交際相手であっても、そのような行為は犯罪にあたる場合がありえるほか、放置をしていることで、身の危険を感じるような出来事に発展してしまうことも、残念ながら起こりえます。

そこで、本記事では、元交際相手との関係解消の場合に起きうる問題点と、有効な対策について紹介します。

目次

1. しつこく連絡することは犯罪にあたるか?

元交際相手に別れを告げたところ、一日に何十件もメールやLINE、電話がくるということでお悩みの方は、実は想像以上に多くいらっしゃいます。

連絡だけなので何も対応ができないのではないかと考えて、どうすればよいかわからない方も多いです。

たしかに、通常、メールを送ること自体がなにかしらの犯罪になることはありません。

しかしながら、一日に数十件の連絡をするなど、執拗に連絡をしてくる行為は、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」、いわゆる「ストーカー規制法」に違反する可能性があります。

ストーカー規正法では、「つきまとい」行為が禁止されているのですが、「つきまとい」行為には、例えば、職場や学校の付近をみだりにうろついたり、通勤途中で待ち伏せするなどの行為以外にも、相手が連絡に応じていないにもかかわらず、多数回連絡することも「つきまとい」に当たるとして禁止されているためです。

また、もしメールの内容に「別れたらどうなるかわかっているのか」、「別れるなら付き合ったてた時に出したお金を全部返せ」、「職場や家族に言う」など、生命・身体・財産・名誉をを害するような内容が含まれている場合には、刑法上の「脅迫罪(刑法第222条)」に該当する可能性もあります。

2. その他犯罪に該当する可能性のある行為

上記のように、待ち伏せや執拗な連絡以外にも、犯罪に該当する可能性のある行為はあります。

例えば、交際を終えたいと言っているのに、承諾をせず、執拗に関係をせまるなどして性行為を強要する行為は、「強姦罪」(刑法第177条)に該当する可能性がありますし、SNSに実名を挙げたうえで書き込みをする行為は、「名誉棄損罪」(刑法第230条)に該当する可能性があります。

また、相手が自宅に押しかけてきて、こちらが帰るように求めているにもかかわらず、居座っているような場合には、「不退去罪」(刑法第130条)に該当する可能性があります。

3. 考えられる対応方法

上記のとおり、交際相手からの執拗な連絡や待ち伏せなどは、犯罪に該当する可能性もある行為です。

もちろん、その態様によって、実際に刑法上の犯罪に該当するかは変わります。

しかしながら、「元交際相手で、悪い人ではないから」などという理由で、明確に拒否の姿勢を見せないことにより、相手が「そこまで嫌われていないのではないか」などと思い違いをしてしまい、相手の行為がどんどんエスカレートしてしまうことがあります。

そのためこのような場合には、相手に対してしっかりと警告を与えるのが有効な対処法となります

ただし、相手から執拗に連絡が来ている場合に、ご自身で連絡を取ることはお勧めできません。

ご自身で連絡を取った場合、相手が「何度も連絡をとれば連絡を返してくれた」と思ってさらに連絡が継続してしまったり、逆に、相手の感情を逆なでしてしまうこともありえるためです。

このような場合に効果的に警告を行う方法の一つとして、弁護士から警告をする、ということが考えられます。

弁護士に依頼することにより、相手に対して効果的な警告(例えば、これ以上連絡を継続するのであれば、刑事告訴や被害届の提出、民事での損害賠償請求を検討せざるを得ないというような内容など)を送ることができますし、相手に対しても、はっきりと拒絶の意思を示すことができます。

執拗に連絡を送ってくる場合、相手は、本当は別れたいと思っていないはずだ、などの都合の良い思い込みをしていることも多いのですが、第三者的立場である弁護士からの連絡により、少し冷静さを取り戻したり、本当に逮捕されてしまうのではないか、などと考える人も多く、すぐに行為をやめる場合がほとんどです。

また、弁護士に依頼をする場合には、今後の相手とのやり取りをすべて弁護士に任せることができます

執拗に連絡をしてくる相手とご自身で連絡を取ることは、大きなストレスや恐怖を感じてしまうことがあるかと思いますが、すべての対応を弁護士にお願いすることができるので、不安の解消につなげることができます。

相手からの連絡を一切無視する、又は、ブロックしてしまうという選択肢も考えられます。

相手としては、どんなに連絡しても返信がなければ、これ以上連絡しても無駄と考えて、相手が諦める可能性があります。

しかし、相手によっては、連絡が取れなくなったから心配になったなどと理由を付けて、自宅や職場を訪問したり、待ち伏せをするなどの実力行使に出るケースもあります。

上記のように弁護士から警告をした上で連絡を断つことはこのような相手の実力行使に対する抑止力になります。

また、弁護士という連絡の窓口を設けることで、弁護士を通してではありますが、相手としては自分の言いたいことを伝える手段は残された状態になるので、いきなり連絡が取れなくなり気持ちが抑えられなくて爆発する(実力行使に出る)リスクを抑えることができます。

4. 警察を交えた対応

1」や「2」で述べたとおり、相手の行為の態様によっては、相手の行為が犯罪に該当する可能性もあります。

このような場合には、警察に相談に行くことが効果的です。

相手としても、警察から警告が来た場合には、本当に自己の行為が警察から警告を受けるほどの行為であることを理解することができるため、経験上は、警察からの警告があった場合に、それでもなおしつこく連絡をしてくるというのは、まれなケースです。

しかしながら、一人で警察に相談に行っても、警察がなかなか対応をしてくれない、ということも、残念ながらよくあります。

その理由として、警察は、あくまで犯罪行為があった場合に何らかの対応をするための機関であることから、犯罪行為に該当するか定かではない場合には、対応してもらえないことが多いですし、また、特に金銭トラブルが絡んでいる場合、民事不介入の原則を理由に対応することができないと言われてしまうこともあります。

また、警察としても、犯罪に該当することが明らかな証拠がない場合には、なかなか対応してくれません。

明確な証拠がない状況で一方の言い分のみを聞いて対応し、もしその言い分が間違っていた場合に、取り返しのつかない事態になりえてしまうためです。

例えば、「元カレから付きまといを受けている」という相談を受けて、警察からその元彼に対して警告をしたところ、実は喧嘩して腹を立てた彼女が、腹いせに警察に相談しただけであった、という場合には、警察が事実に基づかずに不要な警告をしたということになってしまいます。

警察としては、そのようなパターンであることも想定しなくてはならないため、とても慎重に対応を検討する必要があるでしょう。

このような理由から、警察に行く場合には、弁護士に同行してもらうことも一つの選択肢です。

警察としても、弁護士が同行しているということは、犯罪行為に当たりうるという判断の元で行っているのだろう、と理解してくれますし、有効な証拠がある場合には、それを弁護士が整理して警察に示すこともできるためです。

なお、このように、証拠についてはとても大事になりますので、相手からのメールやLINEの履歴については、なるべく取っておくことをお勧めします。

中には、相手との関りはすべて削除したいという理由から、履歴を消してしまう方もいらっしゃるのですが、このような場合、証拠を警察に示すことが難しくなってしまうためです。

さらに、例えば相手が待ち伏せをしていたという場合には、その日時や場所をメモしておくなど、被害の状況を具体的に説明できるようにしておくことも有効です。

また、弁護士にすでに依頼をいただいている場合には、弁護士から警察に連絡をするなどして、警察と連携して対応をすることも可能となります。

5. 金銭トラブルが絡んでいる場合

交際解消の際にトラブルが生じている場合、金銭トラブルが絡んでいることが多いです。

例えば、貸したお金を返してもらえていない、物を壊されたがまだ弁償してもらえていない、怪我をさせられたから治療費と慰謝料を請求したい、など相手が金銭を請求してきている場合、きちんと対応しないと裁判を起こされてしまう可能性があります。

また、男女トラブルの場合、連絡を取る手段として金銭トラブルを作り出すというケースはよく見られます。

相手方とこれ以上連絡を取りたくないという理由で、書面を交わしたり、お金を支払ってしまう方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。

上記のとおり、相手は連絡を取る手段として金銭請求をしてきている可能性があり、その場合、いくら書面を交わしてもお金を支払っても、名目を替えて金銭を請求してくる可能性が高いからです。

したがって、安易に書面を交わしたり金銭を支払うことはせず、金銭請求をされている場合には、弁護士に相談して請求が妥当か否かを聞いてみると良いでしょう。

6. まとめ

元交際相手から執拗な連絡が来ている場合、ご自身のみで対応することは、精神的にも大きな負担となりますし、身の危険を伴ってしまうこともあります。

また、相手の行為がどのような犯罪行為にあたるのか、あたらないとしても、民事で何等か請求をできることがあるのか、というのは、なかなか判断が難しいかと思います。

当事務所では、男女トラブルに関して、経験豊富な弁護士が、ご相談者様のご状況に応じた、最適な解決方法をご提案できます。

ご相談者様のご希望はさまざまであり、警察にきちんと対応してもらうことをご希望する方もいれば、そうではなく、なるべく穏便に済ませたい、と思う方もいらっしゃいます。

ご相談者様のご希望に応じたご提案をさせていただくことが可能ですので、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

著者

弁護士 日吉加奈恵

弁護士
日吉加奈恵

静岡県弁護士会所属

東京都内の法律事務所に出向経験もあり、離婚・男女トラブル・相続等の個人案件の経験も豊富。

趣味は旅行と野球観戦。

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