食べログの利用者数は月間で1憶人以上といわれており、飲食店予約の際に食べログをみてから行う人は非常に多いです。
そのような状況の中、事実と異なる口コミや謂れのない口コミが集客に与える影響は多いでしょう。
そこで本記事では、食べログの口コミ削除について解説します。
目次
1 食べログの口コミは削除できる?
食べログには、飲食店の基本情報やユーザーが投稿した口コミ等が掲載されています。
当然、良い口コミではなく悪い口コミも記載されることがありますが、口コミサイトは本音で語られているからこそ信用ができると考えられるため、店舗にとって都合の悪い口コミだからといって削除ができるわけではありません。
しかし、口コミの内容が名誉権やプライバシー権などの権利を侵害している場合や、名誉棄損罪(刑法第230条)、侮辱罪(刑法第231条)、信用棄損罪・偽計業務妨害罪(刑法第233条)等が成立する場合には、削除を請求することができるでしょう。
また、食べログは利用規約(https://tabelog.com/help/rules/)やガイドライン(https://tabelog.com/help/review_guide/)において、禁止する口コミについて定めています。これらの規約やガイドライン違反の口コミについては、削除を求められる可能性が高いでしょう。
2 削除されやすい口コミ
以下では、食べログの利用規約やガイドラインを参考に、削除を求められると考えられる口コミについて解説します。
実体験に基づかない口コミ
食べログのガイドラインでは、実際に食事したうえで、具体的な内容を記述するよう求められています。お店に訪問していないにもかかわらず記載された口コミは、削除されやすいでしょう。
- 例:実際お店に行ったことはないが、行こうとも思わないお店だ
個人への誹謗中傷に該当する口コミ
個人を名指しして誹謗中傷するような口コミは、ガイドラインで禁止されています。
- 例:Aという店員の接客態度がまるでなっていない
内容の確認が困難な事象についての口コミ
食べログは個人の感想を共有するサイトであるという理由から、店舗へ悪影響を及ぼすものであり、かつ関係の確認ができない口コミは、ガイドラインで禁止されています。
例えば以下のような口コミは、店舗の料理が原因であるとの確認が困難であるとして、削除が認められる可能性があります。
- 例:このお店の料理を食べた3日後からずっと胃の調子が悪い
衛生管理に関する口コミ
ガイドラインでは、衛生管理面に関するクレームは口コミに記載するのではなく、しかるべき当局に連絡するよう求められています。
- 例:キッチンが不衛生でカビが発生している
犯罪行為等を助長する口コミ
犯罪行為等を助長する口コミも禁止されています。
- 例:注文用のタブレットでAという操作をすると、会計をごまかすことができる
3 削除が難しいと考えられる口コミ
上記とは逆に、単に個人の感想を述べた口コミについては、削除を求めることが難しいと考えられますので注意が必要です。
- 例:私には味がしょっぱかった
- 例:もう少しクリーミーな方が好き
- 例:レストランの内装が好きじゃない
4 口コミの削除方法3選
①口コミ下部のリンクより報告する
食べログでは、投稿された口コミの内容を随時確認する体制を取っています。問題のある口コミについては、口コミ詳細ページのリンク下部「問題のある口コミを連絡する」の箇所から報告しましょう。手間が少ない方法であるため、まずはこの方法にて削除依頼をすることをお勧めします。
削除依頼のコツは、口コミがガイドラインのどの箇所に反しているのかを詳細かつ明確に記載することです。
また、違反報告をしても口コミが削除されない場合には、内容証明郵便にて削除を求める通知書を送付することも考えられます。
②送信防止措置依頼書を送付する
インターネットサービスのプロバイダ等が所属している一般社団法人テレコムサービス協会が公開している削除請求の書式(https://www.isplaw.jp/)に必要事項を記載することにより削除請求をすることも考えれます。記入例も参考に、口コミがいかなる権利を侵害するものであるのかをできる限り詳細に記載するようにしましょう。
③裁判所を通じて削除を請求する
上記の方法を試しても口コミが削除されない場合には、裁判手続を利用することを検討しましょう。
裁判所を通じた削除依頼の手続きは、仮処分命令申立という方法で行うのがお勧めです。仮処分とは、争いのある権利関係について、暫定的な措置をすることを認める手続きです。権利侵害のある投稿に関し、裁判所に削除を申し立てると、裁判所が削除の必要性を判断し、裁判所が必要性を認めた場合には投稿を削除せよという仮処分命令が発令されます。「仮」の処分ではありますが、実際に投稿は削除されるので、投稿の削除という目的は達成できます。もちろん通常の民事訴訟において投稿の削除請求をすることもできますが、仮処分の方が簡易・迅速に判断をしてもらえるため、投稿を放置することで多くのユーザーが口コミを目にする機会が増えてしまい、店舗のイメージがどんどん落ちてしまうといったことを防ぐためにも、仮処分の手続きを用いるのが一般的です。
仮処分の申立ては、申立書を管轄の裁判所(食べログの場合には東京地方裁判所)に提出することで行います。詳しい手続きは、以下のコラムで解説しています。
5 削除以外に考えられる方法
口コミの削除の他に、悪質な口コミへの対処法として考えられるのが、投稿者を特定する方法です。これにより投稿者を特定できれば、直接投稿者に削除や、同様の口コミを再び行わないこと、店舗が被った損害の賠償を請求することも可能となります。
投稿者の特定は、発信者情報開示命令という手続きにて行うのが一般的です。まず食べログに対して投稿時のIPアドレスを開示するよう申立てを行い、IPアドレスが開示されたら、プロバイダに対して契約者情報を開示するよう申立てを行うという2つの申立てが必要となります。
なお、一度投稿が削除がされてしまうと、投稿者の特定に必要な情報(投稿日時や投稿時のURL等)が不明となり、発信者情報開示命令の申立てが出来なくなってしまう可能性があります。投稿者の特定を検討している場合には、必ず事前に、投稿のスクリーンショット等を保存しておくようにしましょう。
開示命令の詳しい手続きは、以下のコラムでご確認ください。
6 まとめ
食べログを利用して飲食店予約をするユーザーは非常に多く、悪質な口コミが飲食店に与える影響は甚大です。
迅速な対応をするためには、法的・専門的な知識が必要な場合も多く、特に裁判所を通じた手続きについては、申立書の準備、相手方の反論への再反論等、多くの書面を提出する必要があります。弁護士に依頼をすることで、これらの手続きを全て任せることができます。当事務所には、都内大手IT企業にて企業内弁護士として勤務していた経験のある弁護士が在籍しており、ITに関するお問い合わせの解決実績も豊富です。実際に口コミを削除できたケースもありますので、お困りの方は、一度お気軽にお問い合わせください。
