不倫が相手の配偶者に発覚した場合、相手の配偶者から「家族や職場に言う」「言われたくないのであれば慰謝料を支払え」などと言われてしまうことがあります。
本記事では、不倫が相手の配偶者に発覚してしまったときの対処法を解説します
目次
1. 不倫で脅迫されるパターン
不倫(不貞行為)をしていることが相手の配偶者にばれてしまった場合、感情的になってしまった相手配偶者から「家族に言う」「職場に言う」と言われることは多々あります。
特に不倫相手と自信が同じ職場に勤めている場合、不倫相手の配偶者は、職場に言って何らかの処分をしてもらおうと考えることが多いようです。
また、こちらも既婚者の場合、不倫相手の配偶者は、「自分だけが辛い思いをしているのだから相手の配偶者にも知ってほしい」などという動機で、家族に言いたいと考える人もいます。
2. 絶対にしてはいけないこと
相手の請求に応じること
不倫相手の配偶者から脅されている場合に、絶対にしてはいけないことの一つが、相手の請求に応じることです。
脅されている場合、早く恐怖から解放されたい・絶対に職場や家族にばらされるのは避けたいといった気持ちから、相手の請求に応じて、慌てて慰謝料を支払うなど、相手の請求に応じてしまう方がいます。
しかし、経験上、相手の請求に応じたとしても、無事に解決できるよりも、より相手の請求がエスカレートしてしまうことが多いです。
相手としても、脅せば言うことを聞いてくれるかもしれない、と思い、名目を変えて金銭を再度要求されたり、「職場を辞めろ」などの無理な要求をされてしまうこともあります。
また、不倫相手の配偶者と直接会って協議をする際には、「合意書にサインしなければ家族や職場にばらす」等と言われ、高額の慰謝料を支払う旨の合意書にサインをさせられてしまうケースもあります。
一度合意書にサインをしてしまうと、相場より高額な慰謝料であったとしても、後から合意書の無効を主張することは相当困難になりますので、安易にサインをしてしまうことは避けましょう。
なお、サインしないと殺すなどと言われた場合には、強迫による意思表示であるとして、意思表示を取り消すことも考えられますが(民法第96条1項)、強迫されたことの証拠がない場合も多いため、やはり安易にサインをするのは避けるべきでしょう。
相手の請求額が相場に近く、慰謝料を支払っても良いと考える場合でも、すぐに支払うのではなく、必ず清算条項(これ以上の金銭請求をしないことを確認する条項)を含めた書面を交わしたうえで支払うようにしましょう。
清算条項のある書面を交わすことで、後々追加の請求があった際に拒否することができます。
感情的になること
不倫相手の配偶者が感情的になっているからといって、こちらも感情的になってしまうと、より事態を悪化してしまうことにつながります。
後々の示談(和解)交渉にも悪影響を及ぼしてしまい、相手がなかなか交渉に応じてくれない・高い金額に固執してしまうといったことになりかねませんので、感情的に反論することは避けましょう。
3. 不倫相手の配偶者から脅迫されている場合の対処法
むやみに連絡を取らない
不貞相手の配偶者から脅迫を受けており、相手から何度も連絡が来ている場合、こちらがむやみに連絡を返すことは避けましょう。
何かしらの反応があると、相手からの連絡が止まなくなってしまうことが多いです。
ただし、完全に無視をしてしまうと相手が実際に行動に出てしまう場合もありますので、以下で述べるとおり、警察や弁護士から警告してもらうことを検討しましょう。
証拠を確保しておく
相手から脅迫を受けている場合には、電話や会話を録音しておく、LINEやメール等でメッセージが来ている場合には、スクリーンショット等で保管しておくなど、証拠を確保しておきましょう。
証拠を確保することで、後々相手との交渉の際に利用できることがあります。
警察に相談する
相手から執拗に連絡を受けている、相手が自宅に押しかけてきたといった場合には、警察に相談したり、被害届を提出することで、警察から相手に対して警告をしてもらえたり、捜査を開始してくれることがあります。
特に相手が自宅に押し掛けてきた場合には、身の危険を生じさせないためにも、すぐに110番するとよいでしょう。
弁護士に相談する
警察に相談しても、相手に犯罪行為がないと警察が判断したり、刑事事件化できないと判断した場合には、弁護士へ相談し、弁護士から相手に警告してもらうことを検討するとよいでしょう。
弁護士に依頼をすれば、弁護士から相手方に「受任通知」という書面を送付します。
受任通知には、①弁護士が介入したので今後直接の連絡は控えること②家族や職場に連絡及び接触することは、名誉棄損(名誉権侵害)となる可能性があるので厳に慎むこと、③万が一、直接の連絡や家族、職場に不貞行為の事実を告げた場合には、訴訟提起や刑事告訴等の法的措置を講ずるといった内容を記載します。
こうすることにより、職場や家族にばらす行為は相手にとってもリスクがある行為であることを伝えることができます。
また、受任通知の送付後は、相手からの連絡は全て弁護士が対応することになるので、自身で直接やり取りをする必要もなくなります。
場合によっては、弁護士が警察と連携したうえで、警察からも警告してもらう等の方法をとることもできます。
弁護士に依頼すると、費用はかかってしまうこととなりますが、弁護士は依頼者の希望を汲んで柔軟に対応してくれますので、警察が動いてくれない場合にはお勧めの方法です。
4. まとめ
不貞相手の配偶者から脅迫されている場合、大きな精神的ストレスを抱えている方は多いでしょう。
相手と直接交渉・やり取りすることでさらに負担となったり、お互い感情気になってしまうこともあるので、弁護士など第三者を挟んで交渉することをお勧めします。
当事務所では、不倫・慰謝料に関するご相談を数多くお受けしており、弁護士が介入したことで相手からの連絡を止めさせることができた経験も豊富です。
もし悩まれている方がいらっしゃれば、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
