離婚調停は、進め方を間違えてしまうと、紛争が長期化したり、自分の主張が全然調停委員に理解してもえなかったりといった不都合が生じてしまいまし。
そこで、本記事では、離婚調停を有利に進める方法を解説します。
目次
1. 離婚調停とは
離婚調停は、正式名称を夫婦関係調整(離婚)調停といい、家庭裁判所を介して当事者が話合いを行う手続のことです。
あくまで「話合い」ですので、裁判所が何らかの決定を下したり、強制力を働かせたりすることはなく、当事者間での自主的な解決を図る制度です。
離婚調停の進行は、裁判官(又は調停官)1名と調停委員2名(男性1名・女性1名)の合計3名で組織される調停委員会が行います。
裁判官は他の調停の担当も兼ねているため、通常は調停委員2名が主に進行を行うことになります。
当事者の主張(離婚したい理由や希望の離婚条件等)を調停委員2名が交互に聞きながら、お互いの主張を整理し、合意を目指すのが調停です。
なお、離婚ではなく、夫婦関係の再構築を目指す場合には、夫婦関係調整(円満)調停を申し立てることになります。
離婚調停の申立方法は、以下のコラムで解説しています。
2. 離婚調停を有利に進めるためのポイント
①主張は事前に書面で提出しておく
前述のとおり、離婚調停はお互いの主張を調停委員が交互に聞きながら進行していきます。
1回の調停期日は、1時間半~2時間程度と決まっており、期日は1か月半に1回のペースで開催されます。
限られた時間で自分の主張を口頭で全て伝えるとなると、なかなか調停委員に理解がされなかったり、全て話すことができなかったりと、調停の効率が悪くなってしまう可能性があります。
特に重要な主張は書面で行うことで、調停委員や相手方に理解してもらいやすくなるでしょう。
また、事前に書面で提出しておくことにより、相手方もこちらの主張を把握したうえで調停期日に出席することになり、それを前提に調停を進行することができるため、スムーズな調停の進行につながります。
②事前にしっかり準備をしておく
離婚調停では、離婚をするにあたっての条件を決定します。
例えば、お子さんがいる場合の養育費の額、婚姻期間中に夫婦が築いた財産を分与する財産分与の額、慰謝料が発生する場合の額等です。
養育費の額は双方の年収を元に決めるため、源泉徴収票や確定申告書など、収入が分かる資料を裁判所に提出する必要があります。
また、財産分与については、自宅不動産の査定価格、ローンがある場合のローン残額、基準日の預金の額、株式の数(と評価額)、生命保険の解約返戻金の額等の資料を提出します。
これらの資料を事前に準備しておくことで、スムーズに調停を進められますし、離婚条件についての見通しが立てやすくなり、相手の主張が妥当かどうかなどの判断もしやすくなるでしょう。
なお、養育費や財産分与、離婚の慰謝料については、以下のコラムご確認ください。
③感情的にならない
離婚調停の際には、相手との主張が対立する場面もあるでしょう。
相手の主張内容に憤りを感じる場合もあるかもしれませんが、そこで感情的になってしまうと、余計に話がこじれてしまったり、調停委員に伝えるべきことがうまく伝わらなくなってしまいます。
調停委員は中立的な立場であり、どちらかの味方に付くということはありませんが、悪印象を与えないことで不利になることはありません。
感情的になりすぎてしまうと、調停委員にも悪印象を与えてしまう可能性がありますので、注意が必要です。
④できる限り証拠を準備しておく
調停は当事者間の話し合いの手続きですが、自身の主張を相手にも納得して受け入れてもらうためには、客観的な根拠が必要です。
客観的な根拠と共に主張することで、調停委員からも、自身の主張が正しいものであることを相手方に説明してもらえることもあります。
例えば、慰謝料を請求することを考えている場合には、証拠(相手が不貞行為を行っていることの証拠(不貞相手との写真やLINEの記録)や暴力の証拠(診断書等)を用意しておきましょう。
⑤譲歩できる点・できない点を決めておく
調停は当事者間で話し合いをして合意を目指す手続きですので、全て自分の主張を貫き通そうとすると、なかなか話がまとまらず、いつまでも合意できないということになりかねません。
事前に自分が譲歩できる点、できない点を決めておき、譲歩できる点は相手の主張を受け入れることで、相手もこちらの主張を受け入れてくれることが考えられるでしょう。
3. 離婚調停を弁護士に依頼するメリット
①書面の作成をしてもらえる
前述したとおり、離婚調停を有利に進めるには主張を書面でまとめることが必要です。
弁護士に依頼をすれば、書面の作成を全て任せることができます。
特に法的観点からの主張が必要な場合には、ご自身のみで書面の作成をするのが難しい場合もあるでしょうから、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。
②見通しを元にアドバイスをもらえる
離婚調停を成立させるためには、見通しを元にどこまで相手と交渉するか、どこは譲るかの見極めが大切です。
例えば、こちらが譲るべき理由がある(裁判になった場合には相手の主張どおりの認定がされる可能性が高い等)にも関わらず自分の主張に固執してしまうと、相手といつまでも合意ができないということになってしまいます。
他方で、本来譲るべきではないところを譲ってしまわないためにも、たしかな見通しを元に戦略を立てることは非常に重要です。
③調停に同席してもらえる
離婚調停を弁護士に依頼すれば、弁護士が調停に同席してくれます。
お1人で調停に出席するのが不安、なかなか調委委員に自分の話がうまく伝えられないといった場合には、弁護士への依頼を検討しましょう。
6. まとめ
当事務所では、これまでに多数の離婚事件への対応実績があります。
豊富な実績を元に、離婚に関するあらゆるお悩みについて、ご相談者様の状況を踏まえたアドバイスをさせていただきます。
離婚調停をご検討中の方、離婚調停中でなかなかうまく進行しない方など、離婚調停についてお悩みの方は、お気軽問い合わせフォームよりお問い合わせください。